減速して自由に生きる ダウンシフターズ
高坂勝著
2014年1月10日第1刷発行
『ダウンシフト』という言葉を知る前
わたしは5年くらい前から、これからの生き方や暮らし方をどうしたいか?ということについて、ものすごく考えるようになっていました。年齢は関係ないと思うのですが、50歳が近づいてきたというのも、あったのかもしれません。
・早期退職
・アーリーリタイヤ
・海外移住(ロングステイ)
・老後にいくらお金がいるか?
そういうテーマの本を、当時は読みまくっていました。ロングステイなんか、素敵だなとすごく今でも思ってはいますが、でも何か違うのです。少なくとも早期退職(わたしの場合は退任ですが)ではないのです。職は天職と言えるくらい好き、なお且つありがたい金額を、稼がせてもいただいておりましたので、別に不満はなく、やめなくてもいいんだよなあ~、モゴモゴという感じでした。
もちろんわたしは、悠々自適で引退できる億万長者な身ではありません。残念ではありますが・・・。とにかく生き方や暮らし方、自分の持ち時間の事で、モヤモヤがつのるばかりだったです。
どんなことをモヤモヤしていたか?というと、
1:過去は変えられないが、これから先はどうしたいのか?
2:人生は勝ち負けだけか?
3:カネとモノの量がすべてなのか?
こんなかんじでした・・・。贅沢です。
もともとわたしは若いころから「あがり症」「緊張症」の気があるにも関わらず、それを自分では無理やりねじ伏せようと努力して、それこそ『疾走』していましたので、生きるペースを変えたい、周りに大勢の人に囲まれている状態を解消したい、という気持ちが50代に入り、とても強くなっていたのです。
本当に気持ちが切れて、失踪の方向へいかないでよかった(笑)。ぶっちゃけ朝の通勤電車で、逆に乗ってこのままどこかに消えてしまおうかとか、海外に仕事でいるときに、このまま日本に帰らないでずっとここにいようかな、などとつまらない夢想したことは何度もあります・・・トホホ(笑)。
毎日生きているという幸せを、感じにくくなっていたのです。わかっています、贅沢です。『下流老人』などというタイトルの本をたくさん読み、暮らしを維持することで、せいいっぱいという事例も知りましたので、なおさらぜいたくな悩みです。
モノがたくさん欲しから、お金もたくさんいる。これがわたしの行動の原理だったことは、間違いありません。
でも、自分の幸福を考えると・・・
・そうじゃないような気がしてきた。
・きっとそうじゃないんだ。
・うん!そうじゃない。
などと、毎日考えつつ、とりあえず以下のように生活を整えることを開始したのです。
1:お金との付合い方を改める(インデックス投資・貯金)
2:モノの買い方を改める(本当に良いもの必要なものだけ買う)
3:身辺を整理する(仕事・生活・体調管理・モノの量・借金)
『ダウンシフト』との出逢い
そんな時に、高坂勝氏の『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』を読んだのです。2016年9月の事でした。モヤモヤしているときに、この本が自分の目の前に飛び込んできた!というにが本書との出逢いです。amazonで関連ワードを検索していた時に、リコメンドされたんだと思います。
その頃には『自分のこれからの生き方や暮らし方をどうするか?』ということについて方向性は決めていました。退任、退社、移動・・・再び大きく動かしてみる時期だと。そのための準備も開始していました。
あとは、いつ決行するかだけです。自分は立場上、いつでも辞めるというわけにはいきませんので、この数年は、1年に1度の決算時に次の期はどうしたいか、このまま続けたいかを、自分の心に問いかけていました。
・お金やモノに対する付合い方を、本当に変えていけるのか?
・「あがり症」「緊張症」で疲れただけではないか?
・飽きがきているだけなので、せっかく役員なのだからこのまま会社には所属して、自分の業務内容を変えてしまえばよいのではないか?
・適当にやり過ごせば、立場上やっていけるのでは?
など行きつ戻りつしていたり、ズルいことを考えてしまったりもしていました。
自分がやろうとしていることは、早期退職やアーリーリタイヤではなく、生き方そのものを変えるということで、それを上手く自分が納得できる言葉で表現できていなかったのです。
そんな頃に、この高坂氏の本との出逢い、この本に書かれていた言葉である『ダウンシフト』というものが、とてもその時の自分にしっくりきたのです。
自分らしい生き方にギアチェンジした減速生活者=ダウンシフターズ
実際自分の選択と高坂さんが本で書かれていた趣旨が、同じかどうかは怪しいのですが、自分勝手に「そうなんだ、自分がやるのは『ダウンシフト』なんだ」ということで、すっと心が落ち着きました。
1:わたしは自由に生きたいので、ダウンシフトを選択する
2:好きな仕事を辞めるわけではない
3:ましてや引退ではない
4:シフトアップすることを否定しない
5:モノへの執着は人生が限定されるので持たない
6:おカネとの付き合い方は変わった
ということを、自分で完全に整理し選択できる状況になりました。そして、これが行動への最後のひと押しでした。
星取
今回は書評ではありませんので、星取は書きません。だって聖書に★の数を付けたりしませんよね。
まだまだこれからも続く人生の半分以上を過ぎたあたりで、ギヤチェンジをしたいと切実に願っていた時に、行動を促してくれた本のことを紹介したいと思い、書かせてもらいました。興味があれば、ご一読をおすすめします。
この先の自分の人生がどうなるか?「筋トレ」を交えながら、考え、行動していきたいと思います。
(それでは・・・あいすみません)