あいすみません

早期退職?セミリタイヤ?・・・いやいやダウンシフトです!「筋トレ」「読書」「映画&音楽&スポーツ鑑賞」で心身を整えています。

映画「追憶」(降旗康男監督):この映画を観た!(2)

映画館で「追憶」を観た理由

降旗康男監督の映画「追憶」を観ました。

主演は岡田淮一、小栗旬、江本佑、長澤まさみ

木村文乃安藤サクラ、さん達という、

人気の若手(いまや中堅?)映画俳優の共演です。

最近ではすっかりNetflixamazonプライム・ビデオ派のわたしが、

なぜ?映画館へ行き、この映画を観たのか??

 

ジャーン!

その動機はすべて監督にあります。

降旗監督は山田洋次監督、小泉堯史監督と共に、

現役の日本映画の監督の中で、

わたしがもっとも好きな映画監督なのです。

(さらに黒澤明監督と大島渚監督はメッチャ好きですが)

今回のブログは映画おたくっぽい、内容になりますので、

お許しください。

ネタバレも多少あります。

 

特に降旗監督と山田監督のお二人が、

高倉健さん主演で創られた映画は大好きなのです。

『幸せの黄色いハンカチ』(1977年・松竹映画・山田監督)

『冬の華』(1978年・東映映画・降旗監督)

『遥かなる山の呼び声』(1980年・松竹映画・山田監督)

『駅STATION』(1981年・東宝映画・降旗監督)

『居酒屋兆治』(1983年・東宝映画・降旗監督)

いやあ・・・何回観たことか。

ドラマの良さ、出てくる登場人物のキャラクター像の良さ、

ロケやセットの重厚感、ラストにグッとくる感動・・・

いまだに大好きで数年に1回は観ます。

 

そんな大好きな監督が新作を発表したということで、

映画へGO!したわけです。

予告編を観て行かねばならぬと妄想がふくらんだ

今回の鑑賞の動機は降旗監督にあるのですが、

監督の過去作品の高品質に対するリスペクトと、

骨太の人間ドラマという、

自分の好みのど真ん中の映画作品を提示してくれるという、

信頼感があるからです。

NETで偶然に予告編を鑑賞し、

描かれている世界観が当時の高倉健さん主演作品と、

同じにおいがしたので、観に行きました。

(宣伝方針も当然その方向でしょうから、うまくはめられたのでしょう)

物語(ネタフリ多少有り)

25年前、冬の富山県で3人の男の子が親友になる。

3人はある日、大きく重い秘密を抱える殺人事件と遭遇する。

そしてこの秘密を守ることを誓い、

2度と合わないことを約束し別れる。

 

25年後・・・

バラバラに育った三人は、

刑事(岡田淮一)、容疑者(小栗旬)、被害者(江本佑)として、

故郷で再会することになる。

25年前の秘密と、目の前で起こった2度目の殺人事件。

はたして・・・その背景にある事実とは?

 

この作品は殺人事件を背景に描かれる、

人間ドラマです。

最初の事件で、それぞれ抱え込んだものが何なのか、

なぜ?そのような人生を選択することになったのか、

再会した3人の想いを描いていく作品であり、

ミステリー要素は追及されていません。

 

この2つの殺人事件の扱いが、これでよかったのか?

わたしは心に引っかかりました。

2つとも近親者の殺人ですから・・・もっと重いはず。

しかも主人公の一人は刑事になっています。

なぜ?彼は刑事という職業を選んだのか?

とてもこの職業の選択は、気になりました。

ただの人物設定に、なっていないか?と。

良かったところ

1:映画らしい重厚感(降旗監督らしい)

2:ロケの映像(自然描写)

3:若手と思っていた俳優たちが、順調に中堅へと成長したことが分る

4:千住明さんの音楽(日本のエンニオ・モリコーネ=ほめ過ぎですか?)

5:撮影現場スタッフの丁寧な仕事ぶり

などです。

「映画らしい映画を観たなあ」と思える内容であることは、

間違いありません。

降旗監督の映画創りの質感は健在です。

全般的にロケ部分は特に、スタッフはとても丁寧な仕事をしています。

お疲れ様です。

星取

★★★(5点満点)

平成29年(2017年)が現在で、

25年前ですので物語の開始は1990年代終わりです。

映画で描写される時代感はそれよりも、古い時代に感じます。

1970から80年代頭が子供の頃で、

現在という感じであった方がしっくりくる内容でした。

 

今のキャストでも、もちろん若手スターぞろいで素晴らしいのですが、

あと15歳くらい上の役柄設定にしたら、

リアルな感じがしたのではないでしょうか。

刑事=真田広之さん、容疑者=佐藤浩市さん、被害者=中井喜一さん

などいかがでしょうか?

第2案ですが、

刑事=西嶋英俊さん、容疑者=大沢たかおさん、被害者=渡部篤郎さん

なんて・・・どうでしょう。

すみません、映画好きの脳内麻薬が出てしまいました。

 

そして以下勝手な意見ですが、

1:最大の秘密である最初の殺人事件の真相を観客へ提示するのが早すぎ、

  その後のハラハラドキドキ感が無い

2:再会の理由となる2回目の殺人事件の動機が、

    本筋とまったくリンクしないので拍子抜け

3:しかも2回目の殺人事件の解決は、電話で通知される程度の扱い

4:子供時代の描き方が、すべて現実感が無いので、

  筋が嘘くさく、セットと小道具っぽさも感じてしまいます。

5:老けメイクの出来がイマイチで、年齢=時間の経過の重みを感じない

そして・・・・

6:主人公たちはラストで、何を得ているのか・何を失っているのか、

  これは和解なのか、贖罪なのか、再生なのか、

  設定として提示されたモノのすべての回収が、

    中途半端で、まだドラマは終わって無いのではないかと感じました。

 

捕捉しますと、

1や2や3は、野村芳太郎監督の

砂の器』(1974年・松竹映画)や、

『事件』(1978年・松竹映画)のように、

殺人事件がこの話にからむ必然性がありません。

特に第2の殺人は、犯人像からすると

再会のための殺人でしか意味が無く、

がっかりな設定でした。

殺人を描くのであれば、もっと重要案件として

あつかった方が、この作品にはプラスなのです。

 

4は、クリント・イーストウッド監督の『ミスティック・リバー

のような子供時代の友人関係や、

遭遇する第1の殺人事件のリアリティが無く、

犯人逮捕などどういう過程になったのかが、

とても気になりました。

描かれずに25年たったので、

子供の頃の事件は確かに大事件なのですが、

それが大人になって重要な影響を与えていることが、

イマイチ伝わってきません。

また寅さんのように、人情モノであれば許すのですが、

リアル感が必要な映画なのに、映っているものが作り物ぽいのです。

 

5は『天城越え』(1980年・松竹映画)の渡瀬恒彦さんのメイクのような、

時間の経過を感じさせてくれるものではありませんので、

ラストなど世代が違う設定の人物の集まりなのに、

全員が同じ年齢に見えてしまいます。

 

6は再会した(3人だけではなく、あらゆる再開)という事実だけが、

この映画のドラマとしての帰結になってしまっているので、

そこから何が未来に変わるのか?

何を得たのか?

が抜け落ちてしまったようです。

 

この部分が、わたしてきには、『冬の華』や『駅STATION』のように、

5つ星にできなかった理由です。

脚本・・・ですかね?

降旗監督ファンのたわごとですが(・・・あいすみません)

 

PS:

映画館で上映前に、

何度も何度も、音を立てるな!迷惑かけるな!

という内容の予告もどきを、

いろんな映画のパターンで見せられたのが、

しつこいな!と思いました。

今の映画館の観客って、よっぽど信用が無いのですかね?

(こちらも・・・あいすみません)