あいすみません

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清水潔 著:「殺人犯はそこにいる」読了(本の紹介)

「 殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 

清水潔

新潮社刊(2013年12月20日発行版)

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これは私的殿堂入り書籍です

このジャーナリストの清水潔 氏の著作は、2013年の出版時に読んでいた本なのですが、わたしの脳内ベスト本の殿堂入りしている本です。今まで何度も読み返しています。再読に耐えうる内容なのです。

 

清水潔氏は現在は日本テレビの報道記者・解説委員の方ですが、もともとは、今は無き 写真週刊誌FOCUS の記者です。FOCUS時代の1999年に起こった<桶川ストーカー殺人事件>を取材し、警察発表の誘導に騙されず、その隠されていた事件の内容を正確に独自取材することで、警察よりも先に犯人を特定し、被害者の方のマスコミ被害の名誉の回復と、埼玉県警および上尾警察署の捜査のずさんさ、というよりも 被害者を見殺しにしたことを、世に知らしめた報道記者です。

 

この<桶川ストーカー事件>の顛末は、『 遺言  桶川ストーカー殺人事件の深層(新潮社刊)に記されています。最初の1ページ目の被害者の友人の一言から、ぐっと心がつかまれる、こちらも必読の内容です。(被害者そしてご家族の心情を思うと、読むたびに、涙が出てきてしまいます)

驚くべきその内容

そして、この「殺人犯はそこにいる」ですが、これは再びとんでもない内容です。

清水氏の丹念な取材活動により明かされた、衝撃の事実が書かれています。この本(取材)は、冤罪を救うと同時に、隠されていた2つの事柄・・・<北関東における幼女の連続殺人事件>と<国家による冤罪が疑われる死刑執行の悪夢>を暴くのです。

 

この事件はもともとどのような内容かと言うと・・・。『栃木県足利市群馬県太田市という隣接する2市で、4歳から8歳の5人の少女が誘拐または殺害されているという重大事件。その中の一つが、あの「足利事件」である。一連の事件を同一犯による連続事件だと喝破した著者は、「足利事件」冤罪の可能性を報じて☓☓さんを釈放へ導くとともに、徹底した取材によつて、ついに「真犯人」を炙り出した』

これは出版時の帯裏の原稿です。(足利事件で警察に誤認逮捕された方のお名前だけ☓☓にしました)

 

未解決事件を調べる過程で、でてきた疑問点。

79年:栃木県足利市 殺害

84年:栃木県足利市 殺害

87年:群馬県尾島町 殺害

90年:栃木県足利市 殺害

96年:群馬県太田市 行方不明

半径10キロ圏内でおきていた、あまりにも共通点の多い事件がある。しかし唯一90年の事件だけが、犯人逮捕されている。逮捕された人は、他の事件は起こしていない。これはおかしい、足利事件の逮捕がおかしいのであって、これは連続殺人なのではないか?清水氏は疑問の答えを出すために、徹底的に取材をするのです。その取材の結果が足利事件の逮捕が冤罪であったことです。 

この本は何がすごいのか?

冤罪事件を解決したこと。書かれてはいませんが、著者は連続殺人の真犯人を特定までしていること、もあります。これはすごいことです。

 

そして・・・わたしは、もうひとつの取材に戦慄を覚えたのです。当時のDND鑑定のいい加減さです。冤罪をうんだDNA鑑定のミス。足利事件の逮捕は、当時のDNA鑑定が決め手となっていました。詳しくは、このすごい本を直接読んでもらいたいのでバラしませんが、実は同じ時期に同じ方法のDNA鑑定で、殺人の犯人とされ逮捕された方がいて、その方は「自分は無実である」と最後まで訴え続けていたにもかかわらず、2008年にすでに死刑になっているのです。・・・これは飯塚事件といいます。

 

足利事件が間違いであれば、当然同じ鑑定方法が決め手となった飯塚事件も冤罪である可能性が高いことは、誰でも感じるはずです。すでに死刑にしているという事は、冤罪であれば国家による殺人です。この本は隠されていた3つの事件を、暴いてくれるのです。

この事件の今後を注視

事実として連続して幼女を誘拐し殺した、連続殺人鬼は今も野放しになっています。

 

そして本の中では、犯人の目星をつけ、そのことは警察関係者に報告してあると、書かれている。わたしはこの本が出版された後、どのような反響があるのか、注視していました。結果は・・・、何もおこりません、真犯人は逮捕されない。地元の警察や国会議員県議会議員は何をしているのだろうか?実は・・・・・真犯人逮捕に、簡単に動けない理由があるのです。それはこの本を読み、直接感じてください。

星取

★★★★★

この本は五つ星!5点満点です。文句なしの内容。著者の執念の取材が明らかにする、驚きの事実。日本は逮捕されると有罪になる率が99.9%とよく言われます。警察・検察・裁判は、推定無罪では機能していないということです。逮捕されたらアウトなのです。

 

逮捕されるような奴が悪い?怪しいから逮捕される?そう思っている人でも、運悪く、その場所にいたことで、いつ冤罪で逮捕されるかは、自分ではわかりません。たとえば、おひとり様でお暮らしですと、アリバイ何て無いのが普通ですよね。そのうちアリバイを記録してくれるアプリとかできそうですね。

 

警察はミスは100%おきない、という前提でいます。その警察でミスがおきても、純血主義なので、だれも正さず(正せない)、冤罪はおこり続けています。共謀罪という法務大臣もまともに答えられない内容の、法律が施行されると、これからは益々ドエライ冤罪率になるでしょう。村八分や密告・監視、自白の強要・・・今は無き東ドイツのような国に、なってしまうのでしょうか。少し・・・話が膨らんでしまいました (・・・あいすみません)。とにかくこの清水氏の著書は、驚愕の内容です。ご一読をお奨めします。

 

※ 追加情報

『 私は真犯人を知っている 未解決事件30 』文芸春秋編集部編(文春文庫刊)

『 騙されてたまるか 調査報道の裏側』清水潔 著(新潮新書刊)

『 VS.-北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実ヤングジャンプ集英社刊)

こちらの3冊も北関東連続幼女誘拐殺人事件の関連本です。

 (それでは・・・あいすみません)

 

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