あいすみません

早期退職?セミリタイヤ?・・・いやいやダウンシフトです!「筋トレ」「読書」「映画&音楽&スポーツ鑑賞」で心身を整えています。

映画『百日告別』は愛する人を見送るための映画:この映画を観た(5)

タイトル:百日告別

監督:トム・リン(林書宇)

主演:カリーナ・ラム、シー・チーハン

2015年/台湾映画

愛する人との突然の別れ

この映画は、とても小さな規模で劇場公開されていました。

偶然タイトルと内容を何かの記事で読み、

その内容に興味を持ち鑑賞してきました。

とても心に染み入る映画でした。

内容は愛する者のとの別れ、弔(とむら)いと、

残されたものに続く人生を描く映画です。

愛する人が死んだら悲しい、これは当たり前なので、

人の死だけで映画を創るのは反則だと思っているのですが、

この作品は、その先にあるもの、

残されたものがどのようにして、続いていく人生を生きていくのかを、

丁寧に描いてくれている作品でした。

監督が妻を亡くしたことが、

企画の原典になっているので、

とてもリアルな哀しみを全てに感じます。

物語(ネタばれたくさん有り) 

突然の交通事故。

婚約者を失った女性と、ピアノ教師の妻を失った男。

葬儀は近親者により段取りが決められ、どんどん進められてゆく。

自分たちの深い喪失感は、まったく埋められていないのに。

 

男は山にあるお寺に行き、別れの法要を開始する。

100日間、毎週1回お参りに行くのだ。

女性も法要を行っており、お互いを見かけるようになる。

 

毎日時間は過ぎてゆく。

しかし想い出と現実のはざまで、ただよう二人は、

何も手を付けることができない。

 

そして女性は、

新婚旅行で行くはずだった沖縄に向かう。

亡き婚約者が作った旅程を一人旅するために。

 

男は、

ピアノ教室の生徒たちの家へ、月謝を返金しに行く。

こちらも、まるで亡き妻を探す旅をするように。

 

二人が失った人は、二度と戻らない。

でも自分たちは、愛する人抜きで生きてゆかねばならない。

そんなことを思い、

二人は、100日目の法要に向かう・・・・。

 

とても静かな物語です。

愛する人を弔うこと、

残された自分が今後どう生きればよいのかを探すこと、

そんな人間の姿をじっくりと描いてくれます。

 

泣きたくなるような、名シーンがありました。

女性が婚約者の弟に、遺品の服を渡しに来たシーンです。

女性を気遣い、明るくふるまう弟。

兄の服を受け取り、奥の部屋に片付けに行きます。

そして弟は兄の服を手に取り、それを着てみると・・・・、

兄を思いだし涙が止まらなくなるのです。

感情あふれる、素晴らしいシーンでした。

 

この映画は緩急の付け方が上手いので、

ベタベタな泣きばかりではなく、

静かに哀しむシーンとバランスよく、

構成されています。

解説・ロケーション

婚約者を失った女性役のカリーナ・ラムは、

香港映画で観たことがある女優さんです。

この作品で台湾最大の映画賞である、

金馬賞の主演女優賞を受賞しています。

 

妻を失った男性役のシン・チーハンは、

有名バンドMaydayのギタリストでした。

CD探せば、香港行ったときにおみやげで買った記憶が有ります。

Maydayはよく中華のサザン・オールスターズ級バンドと、

紹介されている大人気バンドです。

多才ですね。

 

そして重要な部分が、沖縄ロケで描かれています。

二人で行くことができなかった、新婚旅行のシーンです。

女性は一人で、沖縄に行きます。

新婚旅行ではグルメ旅を予定していたのですが、

女性はその予定通りに行動するのです。

沖縄そば、スイーツ、食堂など、

手製のガイドを婚約者と創っていたからです。

女性はその手製ガイドに、お店の感想を書き込んで完成させていきます。

二人がやり残したことが無いようにするため。

 

アジア映画の沖縄ロケ、良いですね。

台湾の方々が、沖縄を気に入ってくれているのがうれしいです。

本当に素晴らしいところですから。

星取

★★★☆(5点満点)

韓国映画の泣き系作品のようなベタな感じが少ないところが、

「百日告別」の良いところです。(ベタも好きですが)

とても自然なのです。

 

上記しましたが、とても感情的に高ぶるところと、

静かな哀しみをじっくり感じさせてくれるところの、

緩急がとても上手に構成されています。

 

二人が今後、どのような人生を歩んでいくのか?

その後のことを、手紙でもよいので知らせてほしくなる、

二人に寄り添って、肩をポンと叩いてあげたくなる、

そんな映画でした。

(それでは・・・あいすみません)