あいすみません

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NNNドキュメント「死刑執行は正しかったのか? 飯塚事件 冤罪を訴える妻」を観た

NNNドキュメント

「死刑執行は正しかったのか? 飯塚事件 冤罪を訴える妻」を観た。

(東京では2017年9月3日日本テレビで放送)

 

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事件の経緯

この事件は福岡県飯塚市で1992年に2人の児童が殺害された事件。ジャーナリストの清水潔さん取材した足利事件&北関東連続幼女誘拐殺人事件を取材した傑作ノンフィクション『殺人犯はそこにいる』にも、間違ったDNA鑑定のつながりで記されている事件。

 

飯塚事件は、警察に犯人と断定された男性の被疑者は1997年に逮捕、2006年に死刑判決確定、2008年に死刑となった。しかし男性は最後まで一貫して無実を訴えていた。その男性の妻が2009年から名誉回復のため再審請求を行っているのである。福岡地裁では2014年に再審請求を棄却した。今回は高裁での審議である。

 

この番組では、警察のずさんというよりも結論ありきの捜査により、警察の見立て通りに証拠は集められ、目撃証言は語られ、DNA鑑定がなされていたのではないか?と指摘する。

男性が死刑にいたった証拠は・・・、1992年に科警研によるDNAが一致、似ている車の目撃証言、等である。さらに飯塚事件の4年前に別の女児の行方不明になっている、その事件の捜査時に男性の名前があがっていたというのだ。

 

しかしこの全てが状況証拠であり、しかも死刑の決め手となった当時のDNA鑑定の結果は、現在では証拠から外されているのだ。DNAが一致したから死刑判決だったはずなのに???

 飯塚事件足利事件=同じ組織・人物・手法で行ったDNA鑑定の不備

なぜ?DNA鑑定は証拠から外されたのかというと・・・、それは完全に冤罪が証明されている足利事件に連動する。この足利事件は、1990年に栃木県で起こった幼女の殺人事件。そして被疑者とされた男性は逮捕された。そして裁判の判決は無期懲役

 

その決め手は飯塚事件と同じくDNAが鑑定で一致したことである。このDNA鑑定は科学警察研究所という飯塚事件の鑑定と同じ組織の、同じ人物が、同じ手法で担当している。まさに驚愕の事実。しかし足利事件は2008年に再鑑定依頼が始まり、2009年に再鑑定し当時のDNA鑑定の間違いが証明された。無期懲役という判決であった男性は無罪となり釈放。

 

そうなると飯塚事件のDNA鑑定の結果も相当怪しいという事が推測される。しかもこのDNA鑑定の証拠が、裁判時に検察の都合がよいところだけ提出されていたということも判明している。

 

しかし飯塚事件では2008年に刑が確定し2年で、死刑執行されてしまった。これでは飯塚事件はDNAの再鑑定はできない。 死刑執行を決定した当時の法務大臣は、千葉11区選出の自由民主党森英介氏(現:衆院憲法審査会長)。通常死刑確定から平均5年以上執行まで時間があるが、なぜか飯塚事件は判決確定から2年という短さであった。

この番組を見て思う事・・・

もちろん飯塚事件の犯人は捕まってほしいと心から思う。被害者のご両親・ご家族の気持ちを考えると、あまりにも辛い。しかし国家が死刑に処した人物が、実は犯人ではなかったかもしれないという疑惑も同様に重い。推定無罪、疑わしきは罰せずが崩壊した司法制度は、国家や警察権力による暴走を止めることはできない。

 

高裁での再審請求結果がもうすぐ出るようだが、既に死刑にしてしまったので、いまさら再審できないということなのか?もしも死刑が冤罪であったら?・・・それは国家による殺人なのである。国は積極的に冤罪ではないことを自ら証明する義務があると思う。証拠はすべて開示せずに、自らにぎっているのだから。

 

この事件については、捜査の在り方、検察のあり方、裁判の在り方、全ての問題が連動している。弁護士の立ち会いもなく長時間拘束する取り調べ、誘導されたと推察できる目撃証言、弁護側に開示されない全ての証拠、もしも自分が疑われてしまったら、身の潔白を証明できる道はあまりにも少ない。

 

疑われる人が悪い。そう思う方もいるでしょう。しかし運の悪い場所、運の悪い時間に、一人でいたら?・・・誰でも見立て捜査で犯人に創り上げられる可能性があるのです。タレントでない、俳優でない、作家でない、上場企業の経営者ではない・・・つまり有名ではない普通に暮らす全ての人(東電OL事件があるので、それは日本国籍の有無を問わない)に、起こりうる悪夢の事態なのだと思うのです。

殺人犯はそこにいる

さらに足利事件もそうだが、誤認逮捕、冤罪が不味いもうひとつの理由は、真犯人はまだわたしたちの横を平気で歩いているということである。もしもこの飯塚事件が本当に冤罪であった場合は、次の犯行が既に起こっているかもしれない、次に狙われるのは、わたしたち自身や周りにいる人かもしれない・・・ということになるのです。

 

最初にも書いたが、この飯塚事件の件を初めて知ったのは、ジャーナリスト清水潔氏の著書『殺人犯はそこにいる』(新潮社刊)でした。

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これは事件モノのノンフィクションの名著・殿堂入りの書籍です。冤罪事件に興味がある方は、こちらも合わせてご一読されることをおすすめします。

 

あとこちらのyoutube青木理氏と宮台真司氏の対談形式で、飯塚事件袴田事件を中心に、冤罪が繰り返し生み出される理由について語っていて参考になります。

www.youtube.com

 

(それでは・・・あいすみません)

 

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