あいすみません

早期退職?セミリタイヤ?・・・いやいやダウンシフトです!「筋トレ」「読書」「映画&音楽&スポーツ鑑賞」で心身を整えています。

韓国映画「コクソン」この田舎は怖くてヤバい:この映画を観た(9)

邦題:「哭声/コクソン

原題:곡성(哭聲)、The Wailing

2016 / 韓国映画

監督:ナ・ホンジン

主演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ

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鑑賞前

國村=クニムラ=コクソン。「日本が誇る名優・國村隼さんが、映画のタイトルにまでなっている韓国作品ってなんかすごいよな」等と、たわ言を言ってみたくなる程の、パンチ溢れる予告編の映像。

 

コクソンとは、映画の舞台の韓国の田舎町の名前と泣き叫ぶを、かけているタイトルとのこと。けっして國村という字を、コクソンと呼んでいるわけではありません。

 

韓国映画は日本映画とまず企画が違いますね。日本映画は、きれいな顔をしたティーンが主人公の青春&ラブな作品か、ジャーニーズの皆さんの主演作品か、誰が見るのかわからない地方支援映画か、チープなホラー映画・・・・ばかりです。

 

韓国映画は、美男子や美女でなくても主役を張る俳優がたくさんいて、企画もバラエティ。とくにスリラー系、冒険系、変態系映画は素晴らしいものが多いです。その上、撮影技術やアクション、カースタントなどもハリウッド顔負けのレベルの高さです。

 

日本映画は100%日本人向け=日本人による日本人のための映画、韓国映画は輸出で外貨を稼ぎたい=世界の映画ファンにチャレンジしている映画、というもともとの生業の差が企画の差なのでしょう。わたしは最近、多くの韓国映画amazonプライムNetflixで観るようになりました。(字幕・現代劇中心・時代劇以外です)

 

この勢いで観てるとブログの内容が、韓国映画ファンのブログにボディスナッチされてしまうくらいです。それくらい韓国映画のレベルを気に入っています。

ナ・ホンジン監督

この映画に注目していた理由は、韓国映画のスリラー好きであれば、ナ・ホンジン監督の新作を観ないわけにはいかないからです。2008年の『チェイサー』(Netflixで観れます)、2010年の『哀しき獣』(Netflixamazonプライム・ビデオで観れます)、両作品ともスリラー映画の傑作・快作です。『チェイサー』は、デリヘル嬢を狙う連続殺人鬼と対決する元刑事のデリヘル店長。『哀しき獣』は、韓国に出稼ぎに行き連絡が取れなくなった妻を探しに来た朝鮮族と、殺人請負家業のボスとの死闘。両作とも何だかわからないんですが、とにかくすごい設定で、観る者を作品世界へグイグイと引きづり回してくれます。(『チェイサー』は実際にあった連続殺人鬼の実話がベース)

 

俳優の演技を引き出すのも上手く、キム・ユンソクという中年・ぽっちゃり体型の俳優が、この2作以降、演技派主演俳優として韓国映画界で大活躍しているのです。今回の「コクソン」の主人公も中年・ぽっちゃり体型のクァク・ドウォン。やはり演技力はかなりの高レベル。こういうタイプが好みなのでしょうか?この監督。

(左上の人)

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鑑賞後

ナ・ホンジン監督、見事な3連勝です。なるべくネタバレしないように書きますが、少し気になるところもあるかもしれないので注意ください。

 

この作品のすごさは、田舎のほのぼのとした情景で始まり、猟奇的な殺人事件が起こり、不可解な人物が登場する事で、前半戦の雰囲気が一変し怖い田舎というサスペンスになります。すると今度はエクスソシストばりの祈祷とお祓い状態になり、ついにはゾンビ映画になるのです。そして最後は究極の悪のだましあい。鑑賞後は・・・かなり疲れます。これだけ読むと、何の映画かわからないと思いますが、それくらい不安定な状況に観客は追い込まれるのです。「えっ?えー!マジかー!ウッソー!ホッヘー!!これヤバいよ」というリアクション状況です。

 

國村さんは田舎の山奥に住む怪しい日本人。裸の4つ足で山奥を走り、獣の生肉を喰らい、怪しい祈祷をしています。韓国の山奥に一人住む、正体不明の日本人なんて、田舎に住む韓国人から見たら、恐怖ですよね。クァク・ドウォンは田舎町の駐在さん。殺人事件なんて扱ったことが無い、良い人で、良い夫で、良い親です。そしてわが一押し俳優のファン・ジョンミン(上記写真の右上)。彼は國村さんと対決するために呼ばれる祈祷師です。祈祷のシーンは嫌なものを無理やり見せつけられている感じ。チョン・ウヒは事件の目撃者で謎の女。(上記写真の右下)ラストに向けて映画は次々とジャンルを変えていきます。そして行き着く先の団どんでん返しで、誰の言動を信じてよいのか?何もわからなくなるのです。解釈は様々・・・、真実という言葉の意味はなくなります。

星取

★★★☆

怒涛の展開の後、何とも言えない終わり方。虚無・・・恐怖・・・。サスペンス?スリラー?ホラー?・・・様々な見方ができます。「コクソン」のことを考えていたら、子供のころ観た映画『八つ墓村』を思い出しました。田舎が舞台で、山崎勉さんが冒頭伝記部分の恐怖演技をして、ショーケン萩原健一)が洞窟で、ギョエーとなっているやつです。あれはまさに田舎舞台の怪奇映画でした。そうだ!この作品は田舎舞台の怪奇映画なのです。

 

どこの国も映画で描かれる田舎は怖いです。潜在的な怖さがあります。都会からうっかり足を踏み入れると、「たたりじゃあ~」になってしまう。「コクソン」は現代劇なのに、ものすごい田舎怪奇映画でした。

(それでは・・・あいすみません)

 

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