あいすみません

早期退職?セミリタイヤ?・・・いやいやダウンシフトです!「筋トレ」「読書」「映画&音楽&スポーツ鑑賞」で心身を整えています。

スポーツのドーピング問題を描くドキュメンタリー「イカロス」:Netflix(ネットフリックス)はこれが面白い(8)

邦題:イカロス

原題:ICARUS

監督:ブライアン・フォーゲル

2017年/アメリカ

Netflixオリジナル作品

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鑑賞前①Netflixのオリジナル・ドキュメンタリーは常に注目!

ニューズ・ウィークの記事を偶然読み、俄然興味を抱いたNetflixのオリジナル・ドキュメンタリー作品「イカロス」。この記事を読んだ時に、スポーツ観戦が大好きなわたしは、即視聴するしかない!と思いました。

Netflixのオリジナルドキュメンタリーと言えば、『殺人者への道』です!その内容のすごさに、KOされたわたしです。Netflixは質の高いオリジナル・ドキュメンタリーを、テレビのようにスポンサーのご意向を忖度(そんたく)する必要もなく、独立系映画のように予算を集めることに苦労する事もなく、中身本位で数多く制作しています。今回も見逃すわけにはいきません。しかも!本作の内容は、スポーツ界の、ドーピング問題なのです。

鑑賞前②監督がドーピングに興味をもったきっかけ

本作は、もともとアマチュア自転車選手のフォーゲル監督が、自分の身体を用いて、意図的にドーピングを行い、競技会のドーピング検査を欺き、成績をどれだけ伸ばせるかを試すという作品です。制作のきっかけは、無敵と言われた自転車競技ランス・アームストロング選手がドーピングを告白し、ツール・ド・フランス連覇記録を含む、全ての競技結果をはく奪された事件です。(この事件は『疑惑のチャンピオン』(2015/米・英)というドラマ映画にもなっています)

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フォーゲル監督は「なぜアームストロング選手が、そんなこと(ドーピング)をしたのかではなく、検査体制の欠陥が気になった」と記事の中で語っています。そして自分で検査機関を、いかに簡単に欺くことができるかを、証明しようと考えたのです。

別の監督ですが、マクドナルドを1年食べ続けると身体がどうなるのかを、監督自身が試す『スーパー・サイズ・ミー』という作品と同じ趣向の作品です。

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鑑賞後(ストーリー紹介有り・ネタバレ注意ください)

前半戦:本作のもともとの企画は、人体実験ドキュメンタリーだった

前半のドーピングのシーンで、毎日注射を何本も自分でうつシーンは、酷い光景です。そして検査を欺くための方法を知るために、監督がコンタクトをとったのが、ロシアのアンチ・ドーピング機関であるモスクワ・ドーピング検査所のグリゴリー・ロドチェンコフ所長です。この所長メチャクチャ良い人、ナイス・ガイです。監督ともスカイプを通じたやり取りで、本当の友達になります。そして所長を指南役に、監督は一所懸命ドーピングに励むのです。そして自転車競技会に臨んだ監督、身体能力はアップしているので自身満々だったのですが、自転車の故障で結果は惨敗。落ち込む監督を、優しい所長は、はげまします。ここまでが前半戦。

後半戦:それが一転し国際的陰謀サスペンスとなる

後半に入ると・・・、このドキュメンタリーは国際的な陰謀・サスペンスに雰囲気がガラッとかわるのです。監督も「この展開は制作開始時には予想していなかった」と語っています。2014年12月にドイツのテレビが、ロシアが国家ぐるみでドーピングをしていると告発する番組を放映したのです。それを受けた世界アンチ・ドーピング機構は調査を開始、黒つまり悪事を国家主導で行ったと認定します。ドーピング及びドーピング逃れ両方で黒なのです。ロシアが悪事を国家主導で行うという事は・・・そうです、プーチン主導なわけです。当然ロシアは猛反発します。リオのオリンピックにロシアの選手が出場できるか否か、国際的な駆け引きが繰り広げられたわけです。この件は当時、日本でもニュースになっていました。

では現場でこれを手がけたのは、誰でしょうか?そうです!あのナイス・ガイな所長のロドチェンコフです。彼は自身が口封じで殺されると狼狽するところは、緊張度MAXです。監督は彼の命を守るため、奔走します。そして所長は・・・という展開なのです。(後はご自身でお確かめください)

感想など

このドキュメンタリーは、とても面白かったです・・・が、鑑賞後には怒りも感じます。スポーツ競技でドーピング。ようするにテストならカンニングです。ズルをするわけです。それでつかんだ金メダルは、キタナイ栄光。

選手は悪くない、何も知らずにトレーナーの言うとおりに薬を服用した等と、言いわけを聞きますが、嘘です。選手自身含めてグルなわけです。ドーピングの注射や薬の服用は、毎日計画的にやらなければならなりません。意味も分からずに、続けられるレベルではないのです。しかも、あきらかにドーピング後、スコアが伸びる、強くなるわけですから。

国家ぐるみで悪事を働き、栄光を欲しがる。国内的には選挙対策でしょうか。政治家が、自身の評価を高める広報に、スポーツを利用する。オリンピックも、今ではお荷物な巨大イベントとなった感じがします。2020年に、東京で行われます。もちろん開会すれば観に行くでしょう、大応援もします。でも、現状は悪いニュースしか聞きません。現状は利権者と土建屋のオリンピックです。日本では一切報じられませんが、日本は、誘致活動の時に裏金を払ったと海外でニュースになっています。インターポールの指名手配とか、そのうち出てくるのではないでしょうか。その時の誘致活動のトップにいた人たちは、私は知らなかったと言うので、現場の人はヤバいですね。ある意味・・・かわいそう。もちろん現場の人は、汚い行為をしたのは間違いない、決して無罪ではないのですが、それを行うという判断はできるわけないので、責任を負わされ哀れでもあります。この所長と同じです。しかし!不正は明るみにするべきだし、正すべきなので、スポーツを利用した悪事を許してはいけません。


ちなみに日本には反ドーピングの組織として、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 という団体があります。どこの天下り先でしょうか?

日本アンチ・ドーピング機構 | Japan Anti-Doping Agency (JADA)

HPを観ると何と!今ドーピングの検査員を募集しているではありませんか?こんな募集があるなんて、知りませんでした。たぶん毎年募集があるのですね。資格を満たして講習を受ければ応募できるようです。

星取

★★★★(5点満点)

人体実験ドキュメンタリーが、国際陰謀サスペンスとなる という驚愕の展開。

予想を超える作品でした。オリンピック、サッカーのワールド・カップ、WBCなど大きな国際的スポーツ大会は利権の巣窟なので、権力欲の強い人、出世欲の強い人、お金の亡者が集まってきます。視聴者が踊らされると、彼らが頭に乗り、ひと儲けしようとするので、賢く接する必要があります。競技者もそれにつられると、せっかくの栄光が台無しになるので、フェアであることを守りきる必要があるのです。

フェアだから感動があるのです。フェアだからドラマが産まれるのです。

(それでは・・・あいすみません)


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