あいすみません

早期退職?セミリタイヤ?・・・いやいやダウンシフトです!「筋トレ」「読書」「映画&音楽&スポーツ鑑賞」で心身を整えています。

連続殺人犯を研究するFBI行動科学科 誕生を描くドラマ「マインドハンター」:Netflix(ネットフリックス)はこれが面白い(9)

邦題:マインドハンター

原題:MINDHUNTER

ショーランナー:ジョー・ペンホール

監督:デビッド・フィンチャー「セブン」ゴーン・ガール」)他

出演:ジョナサン・グロフ(「glee」)、ホルト・マッキャラニー(「ジャック・リーチャー」)、アナ・トーヴ(「フリンジ」)

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①鑑賞前:「FBI心理分析官」系コンテンツが大好き

Netflixのオリジナル・ドラマが、またまたやってくれました。1970年代を舞台に、FBI行動科学科の成立過程を描く「マインドハンター」がリリースされたのです。わたしはこのジャンルが大好きです。映画や本で、ドラマからドキュメントまで鑑賞してきました。究極の悪を研究することは、人間の心や頭の中の暗黒面に光を当てて、分析する事です。そこにある暗黒を、実は誰でも持っているのです。しかし、それを抑制できる人間と、抑制できない人間がいるのです。その差異は何かを知りたいと考えていました。

シリアル・キラー(連像殺人鬼)を、研究対象としている部門がFBIにある事を初めて知ったのは、『羊たちの沈黙』だったかと思います。トマス・ハリスの小説です。わたしの持っている小説は、1990年4月発行の4刷ですので、この頃に読みました。著者の『ブラック・サンデー』という冒険小説の映画版が大好きで、先に映画を観て興味を持ち、続けて読んだことがこの作家との出会いでした。そしてご存知の方が多い、1991年に日本でも公開されたジョナサン・デミ監督による『羊たちの沈黙』の映画化。レクター博士が有名サイコ・キャラになりました。この作品で、主演のジュディ・フォスターが演じた捜査官が所属しているのがFBIの行動科学科です。

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この組織は、凶悪犯、連続殺人鬼を研究対象にして、その後の犯罪予防や事件が起こった時の犯人割り出しに役立てようと1970年代に始まった研究部門です。アメリカは広大な土地に、様々なカルチャーが入り乱れた国です。日本人ですと、NYやLA、シカゴなどの大都会や今はやりのポートランド、シアトルなどの自然と文化が融合した洗練された街を思います。しかし・・・アメリカは広い、実は広大な田舎が集まった国でなのです。そして田舎は怖い・・。あの映画『悪魔のいけにえ』が実話にインスパイアされた事を思えば、凶悪犯の背景や心の研究が必要なことも納得です。

映画『羊たちの沈黙』が話題のころ、様々な関連書籍も出版されました。その中でも超話題となったのが1994年に出版された『FBI心理分析官』です。

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FBIの分析官(プロファイラー)だったロバート・ケスラーの著書を、当時わたしも読みました。まさに現実の犯罪が、スリラー映画や小説で描く世界を超えてしまっている事が書かれている犯罪ドキュメント本です。とんでもない犯行事例の連続。この本で、人間がしてしまうこと、人間がやれてしまうことの恐ろしさを知りました。

知的で判断力もあるが 心がからっぽの人間がいる、相手を共感する気持がゼロの人間がいる、他人が恐怖を感じているとうれしいと思う人間がいる・・・猛獣ではなく、生き物の中で人間が一番怖いのではないでしょうか。犯罪者を研究対象とし、何がその妄想や快楽のきっかけとなり、何が犯行の引き金を引いたのかを知ることは、有益であるのです。

今回のNetflixオリジナル・ドラマ「マインドハンター」は、同じくFBI行動科学科の第一世代であった、実在の捜査官ジョン・ダグラスの同名ドキュメント本を元にした作品です。

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ドラマ化に合わせて文庫で再版されましたので、わたしも早速購入しました。こちらは『FBI心理分析官』よりも、一人の捜査官が犯罪者の研究を始め、葛藤しつつも体系的な情報をまとめていく過程が描かれています。凶悪犯との闘いのために、その犯行を分析し体系化しデータベースにまとめていく、アメリカの犯罪捜査の変遷を知ることが出来るドキュメントです。

わたしはこの捜査の過程を描くドキュメントにはまり、この系統の沢山の書籍を購入して読んでいた時期があります。それらが書斎の本棚に並んでいるので、何かの事件で捜査線上に運悪くわたしの名前が挙がってしまい、捜査官に本棚を見られると冤罪が成立してしまう恐れがあります。ヤバイです、気を付けます・・・トホホ。

デビッド・フィンチャー監督に弱い

ジャンル的に好きと言う事以外に、事前情報で盛り上がった理由は、フィンチャー監督です。最初の2話の監督を担当しています。作品のタッチ、キャラクター設定、演出レベルの方向性を、決定する重要な役割です。

フィンチャー監督の映画は、初めて観た時からしびれっぱなしです。何故か?評判がよくない『エイリアン3』を観た時から、この監督はセンス良いなと思っていました。そうしたら!『セブン』『ゲーム』『ファイトクラブ』と傑作3連打。わたしはノックアウトです。

この監督の良いところは、ビジュアル・センスは観ての通りの最高レベルなのですが、ドラマを深く描くための俳優の演出力や画面構成力がずば抜けているのだと思います。映画館にあまり行かなかった時期も、この監督の新作だけは行きました。『ドラゴン・タトゥーの女』の時なんか、盛り上がり勢い込みすぎて公開の1週前に映画館に行ってしまい、当然上映していないので後悔したくらいです(ダジャレ・・・あいすみません)。50代で同世代なので、これからも同じ時代に生き、その新作を観ることができるわたしは、とても幸せな映画ファンです。

③鑑賞後:実在の凶悪犯罪者へのインタビュー再現シーンが良い

CSI』シリーズや『クリミナル・マインド』みたいな、パターン化されたものだと嫌だな思いつつ、フィンチャー監督がそんなもの手掛けるはずがないという、確信もありながら鑑賞した本シリーズでした・・・その結果は・・・。

シリーズ前半はイメージ通りドキュメント・タッチも含む良い感じでした。若いFBI捜査官が、過去の犯罪者の研究の重要性を感じる。あまりのむごい事件の発生に、地元の警察やFBI捜査官の考え方が追い付いていないのです。動機の推理では犯人はつかまりません、なぜならば動機は無く、犯行現場にあるのは衝動であり、快楽であるからです。

そして研究の為に若い捜査官は、実の母を含む10人を殺害し自首して無期懲役刑となった殺人犯エドワード・ケンパーに、インタビューするため刑務所に行きます。犯罪者自身に犯行に至るまでの心の動きや、何が最初の犯行の引き金になったのか等を聞くためです。このシーンは、観ているこちらも緊張します。ちなみにケンパーは実在の殺人犯です。身長2メートルの巨漢かつIQ140以上の天才、でも心の中は空洞です。自己分析は完璧にできるのに、人は殺さずにいられない。本人のインタビュー映像がyoutubeで検索できますので、興味がある方は観てください。

そしてFBIという巨大組織や先輩捜査官も、最初は懐疑的ながらも、徐々に犯罪者の研究は捜査の役に立つ、彼らの話を分類化しデータベース化する事で、今後の事件の捜査に役立てることができると考えはじめるという展開です。

シリーズ後半に入ると、若い捜査官が凶悪犯を研究する事で、自分自身も精神が病んでいく様を描き、よりドラマ感が強調されていきます。わたしはシリーズ前半の方向性の方が好きですが・・・。

④お奨め度(星取)

シリーズ前半★★★☆

シリーズ後半★★★

という感じでしょうか。よくできていると思います。

羊たちの沈黙』や『セブン』以降、サイコ・スリラーが大ブームで、B級からそれこそZ級の珍作まで、多数作られてきているジャンルです。切り口を変えないと、既視感有り有りのドラマになってしまいます。フィンチャー監督も巻き込み制作を開始したのですから、それこそ映画『ゾディアック』のような実録路線も入れながら、シリーズが展開してくれれば良いと思います。シーズン2も決定しているようなので、よりドキュメント・タッチで制作してくれる事を希望します。

⑤おまけ:またまた50代で良い役を演じ始めた俳優が登場

人に歴史あり、努力に勝る天才なし、神様はちゃんと見てくれている・・・成功への努力には、いろんな言葉があります。今回もベテラン捜査官で主演の一人である、俳優ホルト・マッキャラニーにおめでとうと言いたいです。

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過去様々な映画のわき役で、顔を観てきた俳優です。54歳の彼は、今回主演級で良い役をゲットしました。amazonプライム・オリジナルドラマ『BOSH(ボッシュ)』の、主人公の刑事役である俳優のタイタス・ウェリヴァー同様、長きにわたるキャリアを経て、主演級の役まで到達したのです。長いキャリアを積み実力を付けた俳優に良い役が付けば、そのドラマもよりよくなるのです。本作でも、味わい深い演技を見せてくれています。

(それでは・・・あいすみません)

 

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