「ひとりぼっちを笑うな」
蛭子能収 著
角川ONEテーマ21刊
2014年11月25日 6版
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ダウンシフト準備中に読みました
この本を読んだのは、2014年後半ですので、まさに任期満了で辞任、早期退職、アーリーリタイア、法人を離れ個人化・・・等を、いつやるか? できるのか? 本当にそれで良いのか? 稼いでいるお金を捨てられるのか?・・・と毎日考えていた時期です。
わたしは今までも何度か書きましたが、大勢に囲まれている仕事(立場)をこなしつつも、実はひとりの時間が大好きで、しかも「あがり症」「緊張症」の気も有るという事を秘密にして隠しながら、社会に出て30年生きていたのです。もういい加減、自分をしがらみから解放させてあげようかな、と思っていた日々でした。
考えて、考えて、準備して、準備して・・・その結果・・・最後は『たった一度の自分の人生、自分の時間、自分の生き様に、後悔なく!』という勢いで、2017年春にダウンシフトに至りました。
これは売れた本ですので、今さら感もあるかもしれませんが、わたし的には、そんな自問自答の日々の中、自分のような「あがり症」の気がある人生でも、肯定されたと感じた本でしたので、同じようなことを考えている方、他人に合わせるのが面倒だなと思っている方に、紹介したいと思い取り上げました。
著者は・・・有名で、テレビタレントで、独自の世界を築いている方ですので、「あなただからその生き方で許されるのですよ」といいたくなる方もいると思います。でも、この本は有名タレントの自慢本ではありません。一般の方が、心の中がモヤモヤしながらも懸命に、社会に、会社に、組織に、周りに、合わせて生きているという事を、そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?、大丈夫、一人でも!と、肩の荷を下ろしてくれる本なのです。
著者は極端で、みんなで食べる大皿料理は苦手とまで書いています。わたしは大皿料理は気になりませんが、宴会、パーティーは苦手です。旅行先でその土地の特別な料理を食べるよりも、味が安心かつ安全なかつ丼を食べてしまうという感覚も、理解できます。フランスに行って、フランス料理のレストランに入ると、バターとチーズのにおいで吐き気がするというタイプなので、いつもの味を求めて中華料理や和食に、海外でも行ってしまうタイプなのです。
そんなわたしだからこそ?この本を推薦してしまうわけなのですが・・・役に立つ、役に立たないではなく、共感できる、いいなと思う、そうそうとうなずける、そんな本だと思っているのです。
「群れずに生きる」
この本は「群れずに生きる」事が書いてある本です。
わたしの解釈は、「自由でいいじゃない!」という事です。他人へ迷惑をかける、かけないという問題ですが、迷惑をかけないように頑張る事で、自分が疲弊しきるというのは、やり過ぎかなと思えるようになったのです。生き死にという状況ではなく、日常的な事で、自分を守る必要がある時は、自由意思を尊重してもらうという事が、何より重要なのです。わたしの場合は、そのために群れからでる必要があったわけです。群れを出る事で、自由意思を実現できる。自由を実現するために、最短で準備した結果がダウンシフトの実行でした。
もうひとつは「孤独」って、悪いもの?という問いかけが書いてあります。
わたしは孤独が悪いものとは、少しも思いません。もちろん人間ですので、雑談が最近少なくてつまらないな、ワイワイがやがやが無くて寂しいな、と思う事はあります。しかし、それを引き換えに、また組織や群れに入るという気にはなりません。自分の自由を、一番と考えるからです。
「筋トレ」を一人でしている時、心の中で自分自身といろんな対話をしています。悪気を浄化させる儀式とでもいいましょうか。鍛錬と対話を自分一人で完結させているのです。これは孤独でしょうか?わたしは孤独を感じません。むしろ力がみなぎります。
お奨め度
お金の事、健康の事、生き方の事・・・など、早期退職を考えている方は、いろいろと情報を取得しようとしていると思います。また貯蓄や投資の実践、借金の整理、独立できるスキル等を得るため、日々行動していると思います。
内向的だったり、弱点があるからこそ、早期退職やダウンシフトを選択するパターンも多いでしょう。わたしはそんな人間の一人でした。強気と弱気が交差する人生の選択と準備の日々。この本は内向的な人でも、弱点を抱える人でも、大丈夫!と言ってくれる本ですので、真面目な資産運用やライフシフト系の本の合間で読まれると、効くんじゃないかなと思います。
(それでは・・・あいすみません)