「未来の年表 人口減少社会でこれから起きること」
河合 雅司 著
講談社現代新書 刊
2017年7月12日第5刷
帯につられて・・・
本屋のレジ横に積みあがっていたのがこの本、その帯につられて購入しました。「未来の年表」・・・藤子不二雄先生の漫画タイトルみたいですね。
その内容は、宣伝の帯の通り。これから人口が激減する日本の社会で起きることを、予想している本です。2015年で1億2700万人の人口が、2055年に9000万人を下回るのです。たった40年で。2115年には5000万人だそうです。100年で半減以下。
身近な好きなモノの40年後で考えると・・・プロ野球12球団の維持は無理です。サッカーJリーグは今のクラブ数維持できないでしょう。バスケのBリーグは・・・・と考えてしまいます。いつまで維持できるかな?プレーヤーの数が減るのはもちろんのこと、お金を払う観客数が減りますよね。
来日コンサート。60年代以降、海外の大物アーチストは日本の武道館や東京ドーで、コンサートを開いてきました。高いチケットを購入でき、パンフやグッズも買ってくれ、暴動をおこさずに聞いてくれるグッド・リスナーだったからです。わたしの好きなプログレなど日本人が世界一のお得意さんでしょう。人がいない、稼ぎの少なくなった国に、今みたいにバンバン来てくれるでしょうか?
そんな趣味の世界を心配するどころではない、衝撃の人口減少ディープ・インパクトをこの本は書いているのです。西暦3000年には日本人は2000人ですって。消滅です。ある民族が役割を終えて、地球の上から姿を消すということです。
人口減少カレンダー
この本には人口減少でおきることが、そのタイトル通り年表で記されています。それをコピペしてしまうと、この本の営業妨害になるので書きません。
筆者は2042年が日本最大のピンチと言っています。この2042年に高齢者人口が約4000万人となりピークをむかえるのです。東京でも3人に1人が老人です。
それが25年後です。
10歳の人は35歳。
20歳の人は45歳。
30歳の人は55歳。
40歳の人は65歳。
55歳の人は80歳です。
生きていたらわたしも立派に、高齢者の仲間入りしています。ドキッとします。
この時期=2042年頃には
・貧しい独居老人が大量に発生してる
・無年金で生活保護の方が増え国家予算はパンク
・健康保険の予算もパンクでしょう
・年金予算も危ないでしょう
・病院や介護施設どころか火葬場が不足
・それなのに社会の支えては大量に不足
・・・読むと暗くなります。
自分のこともそうですが、子供たちの事もです。25年後ですと、子供も30代後半から40代です。どのように子供を自分で喰える大人に育て上げるか・・・問われています。しっかりやります。
著者は産経新聞社論説委員、でも大丈夫でした
著者の河合氏は産経新聞の論説委員。この肩書だけが、読む前に一番心配だったことです。最近の産経新聞は一般紙ではないレベルで大暴走中なので。朝日・毎日・東京・日経そしてヤバさが出てきて経営陣の代替わりが待望される読売、ここらへんは一般紙でしょう。産経は赤旗、聖教のように政治的立場をはっきりさせ、ある一定のファン層?に向けた狭いジャンルの新聞です。
しかしながらこの本は、熱烈な特殊ファンにだけ届くような内容ではなく、この年表に書かれた予測が当たる当たらないは別として、たいへん読ませてくれる本でした。今の日本にとって考えたほうが良いことを指摘してくれる良い企画です。大丈夫でした。
対処方法はあるのか?
本の第2部では日本を救う10の処方箋と題し、対処方法が提案されています。20世紀型、高度経済成長型の成功体験といかに決別できるかです。
この内容は実現できそうなもの、無理そうなものがありますが、早急に具体的な動きにしていかなければなりません。
それを考えると、東京オリンピックに加え、大阪に万博を誘致しようなどという、土建国家的な発想は最悪ですね。
外務大臣がいまだにアフリカなどで、日本のお金をばらまいています。税金もしくは借金で集めたお金です。これも面子ではなく、もっと日本人のために有効に使う必要があるでしょう。中国に対抗とかではなく。
80年代から90年代は、お金があった日本が諸外国の手助けをしました。その中国を含め円の力で。これからはお金持ちになった中国やそれ以外の国に、任せるところは任せていかないと、対抗していても日本国内が老朽化してしまいもちません。
わたしの提案としては・・・
1:子供の教育にお金がかかりすぎます。
アフリカの国にお金を出すのであれば、日本の教育費に出すべきです高校までは無償。
2:一定の試験の点で高得点の人には大学教育の援助
手に職を付ける教育をつけるのであれば、人材が不足する分野の修行に近い教育を行う。ようするに、レベルの低い大学の乱立には税金投入しない。
2:家の確保
家が余るのですから、お金が無い人が無料で使えるようにする不動産保有者には固定資産税全額免除などのメリット有り。
3:水道・ガス・電気の確保
2と同様。
4:この本にある第3子に1000万円を補助の方向性は賛成します
ただ金額や支払い方は要件等、生育に合わせて分割する。生まれた時に100万円、幼稚園で100万円、小学生で200万円、中学で200万円、高校で200万円・・・など。学費の無償化も有れば、子供の成育にお金がかからなくなります。
5:都市をコンパクトにするも賛成します
住むところはある程度インフラの提供含め絞り込む必要があるでしょう。先祖代々の土地という考えが強い田舎では、たいへんでしょうが。
財源は・・・・。行政のプロではないので間違っているかもしれませんが、諸外国へのばらまき、国内での変な税金の使い方、などを改めてもまだ不足するでしょう。
たとえば生活保護の方の家と電気と水道とガスが無料になれば、渡すお金は減らせるのではないでしょうか。食料も近隣のスーパーの商品券としたら・・・?惣菜や野菜、肉など大量廃棄せずにわたしたちで使えませんか?そういう全てを見直せるリーダーシップをもった政治家が出て来てほしいです。
選挙は必ず行きましょう。未来を変えるために。
星取
★★★☆
わかりやすい問題定義の本でした。これからくる人口減少のディープ・インパクトでわたしたちの生活や暮らしがどうなるのか?子供たちへはどのようなことを教えておく必要がるのかなど考えさせられる本です。
(それでは・・・あいすみません)